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朝鮮半島韓国、非武装地帯から撤収へ 本当に大丈夫なのか
South Korea Wants to Withdraw Forces from Border
今年の夏の米韓合同軍事演習は北朝鮮への配慮から中止になった(写真は春定例の合同訓練、2003年) Darren Whiteside-REUTERS
<北朝鮮が約束したとされる完全な非核化の実現性が疑問視されるなか、韓国国防省はあくまで南北首脳会談の合意を守る方針だ>
韓国は7月24日、北朝鮮との軍事境界線に沿って設けられた非武装地帯(DMZ)の哨戒所から兵力や装備を試験的に撤収させる方針を明らかにした。朝鮮半島の平和実現に向けた動きが加速するかもしれない。
聯合ニュースによれば、計画を推進しているのは韓国国防省で、将来的には「全面撤収」も検討するという。DMZは1953年の朝鮮戦争の休戦協定に基づいて設定されて以降、65年間にわたり南北を分断している。
もし計画が進めば、4月27日に板門店で行われた南北首脳会談で韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が合意した「板門店宣言」通り、南北の緊張緩和に向けた一歩になるだろう。
「DMZを(実質的な)平和地帯に変える、とした板門店宣言の合意を実現するため、DMZ内にある哨戒所の兵士や装備を試験的に撤収した後、段階的に撤収の範囲を拡大していく方針だ」、と韓国国防省は発表した。聯合ニュースが報じた。
この発表は、アメリカの北朝鮮分析サイト「38ノース」が人工衛星の写真をもとに、北朝鮮が同国北西部の東倉里(トンチャンリ)にある「西海(ソヘ)衛星発射場」で、主要構造物やロケットエンジンの試験台の解体を始めた、との分析を発表した7月23日の翌日に行われた。ドナルド・トランプ米大統領が6月12日の米朝首脳会談で北朝鮮が約束したと言っている朝鮮半島の「完全な非核化」が本当に実行されるのか、疑問視する声が広がっていたからだ。
北朝鮮も、アメリカをはじめとする西側諸国との疑念を払うため、非核化に向けた合意を守る姿勢をアピールした、と見られている。
制裁は継続
韓国国防省はまた、北朝鮮とアメリカと共同で、DMZで朝鮮戦争戦死者の遺骨発掘を進める計画も発表。米韓軍の兵士と北朝鮮軍の兵士が対峙する板門店の共同警備区域(JSA)の非武装化も目指すという。
「南北首脳会談でDMZを平和地帯に変えるとした合意に基づき、JSAの警備人員を縮小し、武器などの装備品も見直す」、と韓国国防省は発表した。
そこまで北朝鮮を信じて本当に大丈夫なのか。
韓国の康京和(カンギョンファ)外相は7月19日に訪問先のロンドンで講演した際、北朝鮮が非核化に着手していると韓国は信じている、と語った。
「ある程度の疑念を持つのは良いことだが、今回は北朝鮮の指導者が自ら表舞台に出て、完全な非核化に取り組むと国際社会を前に約束した。そこまでやった彼にしてみれば、後戻りするリスクの方が極めて高いだろう」
「国際社会による対北朝鮮制裁が続く限り、経済発展の実現は不可能だと彼は理解している。だからこそ、完全な非核化を確実にするまで、我々が経済制裁を続けることが重要だ」、と康はロンドンの講演で念を押した。
(翻訳:河原里香)
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