傍若無人なトランプ欧州歴訪で同盟国に混乱 陰で笑うロシア
与野党とも猛反発
トランプ氏は、プーチン氏との会談前日のCBSテレビのインタビューでは、EUを通商政策における「敵」とまで言い切った。
逆に西側世界からあらゆる形の非難を浴びているプーチン氏をトランプ氏は「良い競争相手」と呼び、「競争相手という言葉には補完し合うという意味があると思う」と付け加えた。
そんな外遊から帰国の途に就いたトランプ氏に、議会は与野党とも猛反発している。
共和党のマケイン上院議員は「われわれの最も親しい友人や同盟相手に向けた衝撃的で一貫性のない一連の発言に続く今回の(米ロ首脳会談後の)会見は、米国の歴代大統領として近年では最低の点数しか与えられない」と述べた。
トランプ氏の批判派が指摘するのは、同氏が米大統領選介入疑惑を再び否定したプーチン氏を公然と非難しなかった点だ。それどころかトランプ氏は、自国の情報機関がロシアを責めている中でも、プーチン氏の疑惑を認めない力強い姿勢を高く評価した。
一方でプーチン氏は首脳会談後の会見で余裕の笑みを浮かべ、記者からトランプ氏がビジネスマン時代の2013年にモスクワを訪れた際、彼の「弱味」を握ったのかどうか改めて聞かれると、声を立てて笑ったようにも見えた。
実際トランプ氏は今回の会談で何の成果も得られていない。クリミア編入問題を巡るトランプ氏の懸念はプーチン氏に一蹴され、シリア情勢や核軍縮についてはあいまいな約束が交わされただけだった。
[ヘルシンキ 16日 ロイター]