最新記事

軍事

欧州に新たな軍事同盟発足 仏主導で英独なども参加、米国抜きで軍事行動可能に

2018年6月26日(火)10時15分

6月25日、フランスは、英国などを含む軍事部隊「欧州介入構想」を発足する。写真右はフランスのパーリー国防相。仏サンタグナンの空軍基地で14日撮影(2018年 ロイター)

フランスは25日、英国などを含む軍事部隊「欧州介入構想」を発足する。欧州連合(EU)の枠組み外の取り組みで、フランスは英EU離脱後も英国を欧州防衛の一部にとどめたい考え。

構想は、欧州の国境近辺で危機が発生した際に、北大西洋条約機構(NATO)や米国なしに軍事対策を打てることを目指す仕組みだ。域内の軍事政策について指揮を取りたいフランスとドイツが何カ月もの間、交渉を進めてきた。

フランスのパーリー国防相は24日、仏フィガロ紙に対して、フランスとドイツ、ベルギー、英国、デンマーク、オランダ、エストニア、スペイン、ポルトガルが欧州介入構想の同意書に署名すると述べた。25日にはルクセンブルグで式典が開催された。

マクロン仏大統領は2017年9月の講演で、同構想を打ち出した。当初は、EUが加盟国の防衛協力強化のために打ち出した「常設軍事協力枠組み(PESCO)」の整備作業も進んでいたため、マクロン氏の提案には懐疑的な意見が出た。

EUの防衛相らは25日、PESCOの規定で合意に至る予定。PESCOは21年から割り当てられる数十億規模のEUの新たな防衛予算で賄う。英国は19年3月にEUを離脱するため、PESCOには含まれていない。

フランスはPESCOも含め、英国のEU離脱後の防衛政策において中心的な役割を果たす考え。欧州介入構想は、フランスとともに欧州最大規模の軍事力を誇る英国が含まれているほか、スペインも軍事的役割が拡大する見込みだ。

[ルクセンブルグ 25日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241203issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月3日号(11月26日発売)は「老けない食べ方の科学」特集。脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす最新の食事法。[PLUS]和田秀樹医師に聞く最強の食べ方

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

賃金上昇とサービスインフレが依然リスク=フィンラン

ビジネス

日本企業、トランプ氏関税に懸念 十倉経団連会長「甚

ワールド

中国、麻薬対策で米と協力継続の用意 外務省が声明発

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、大幅な2%割れに警戒を=ポルト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 4
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    テイラー・スウィフトの脚は、なぜあんなに光ってい…
  • 7
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 8
    早送りしても手がピクリとも動かない!? ── 新型ミサ…
  • 9
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 10
    日本株は次の「起爆剤」8兆円の行方に関心...エヌビ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 9
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 10
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中