キラウエア火山、危なすぎる自撮りが問題に
州政府は5月29日以来、キラウエア火山噴火に関連して出頭命令を出した人物の氏名や、こうした人たちを危険区域で保護した際の状況をたびたび発表している。
5月29日のケースでは、ニューヨークからきたカップルが、火山噴火の影響で閉鎖しているラバツリー州立公園に立ち入った。ラバツリー州立公園はキラウエア火山の東側に位置し、溶岩が近くまで来ておりガスの危険性もあるため、噴火以来、閉鎖されている。2人は、立入禁止区域に入り込む方法を地元住民から聞いたという。
州政府は、有罪となった場合の刑罰を罰金5000ドル(約55万円)、場合によってはさらに最長12カ月の禁固刑となるよう厳罰化したと発表。溶岩のそばに行こうとする人の数が減ることを期待したが、効果は薄いようだ。
「100万件の『いいね』よりも命の方が大切」
ABCのレポーター、ウィット・ジョンソン氏はABCニュースの番組で、自分たちがキラウエア火山のリポートをした際は州兵に護衛してもらったこと、ガスマスクを着用する必要があったことなどを説明し、いかに危険かを強調した。しかしジョンソン氏は、自分たちが撮影している間にも、溶岩の近くに行こうとする人がバリケードをこっそりと越えて行く姿を目撃したと話している。
自撮り写真を撮ろうとして命を落とした人たちは世界中であとを絶たず、各地の政府は手を焼いている。世界の観光名所などで自撮りをしようとして命を落とした人の数の半分以上が集中したインド(2014年3月〜2016年9月)では、政府が「自撮り禁止区域」を特定。看板を立てるなどの施策に数年がかりで取り組んでいる。ロシア政府も2015年、「ソーシャルメディアでの100万件の『いいね』よりも、あなたの命や身の安全の方が大切」とのモットーを掲げ、「安全な自撮りキャンペーン」を展開した。
6月25日のUS Military News TV-Youtube