イタリア、銀行再生に暗雲 政局混乱が生むリスク
資本調達コスト上昇によって最も大きなリスクにさらされるのはイタリア国内の中小金融機関だとアナリストは警告する。イタリア国内銀行はホールセール資本市場を事実上利用できず、再び利用できるようになるまでには長い時間がかかるだろう、とトレーダーは予想する。
イタリアで最強の銀行インテーザ・サンパオロは総選挙後、スワップレートを77ベーシスポイント上回る利率で10年債を発行したが、現在そのスプレッドは200ベーシスポイントにまで拡大しており、条件悪化を浮き彫りにしている。
大半の銀行は潤沢な流動資産を保有しているため、タイトな調達市場は喫緊の課題ではないが、国有のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナとバンカ・カリジェが予定するハイブリッド債発行によるTier2自己資本の再構築計画には疑問が生じている。
カリジェの広報担当者によれば、同行のフィオレンティーノ最高経営責任者(CEO)は26日、劣後債発行計画について質問され、政治リスクによって市場が麻痺していると述べたという。
モンテ・デイ・パスキはコメントしなかった。
(翻訳:エァクレーレン)
[ミラノ 29日 ロイター]
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