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災害襲い来る溶岩流 グアテマラ・フエゴ山の噴火、死者65名に増える
噴火から逃げる途中、火山灰に転ぶ警察官。REUTERS
<中米グアテマラのフエゴ山が現地時間の3日に噴火。少なくとも65人が死亡、300人が負傷、3000人以上が避難する大惨事となった──>
グアテマラのフエゴ山が3日噴火し、流れ出した溶岩が近くのエルロデオ村などを襲った災害。救助活動が進むにつれ犠牲者の数が増え、少なくとも65人が死亡、300人以上が負傷した。現地の対策本部は「まだ正確な行方不明者の数を把握できず、死者がさらに増える可能性がある」と明らかにした。ロイターや現地メディアが伝えた。
グアテマラ政府によると直接・間接の被害を受けるのは170万人以上と予想される。現在避難した住民は3265人にのぼり、このうち1711人はまだ避難所に泊まっている。現地メディアは被災者救援のための募金を呼びかけている。
今回の爆発では火山灰が海抜10,000メートルまで上昇、44キロ離れたところまで降り注いだ。また溶岩は火口から8キロ先まで流れ、その影響は少なくとも5つの州にまたがるとみられている。フエゴ山は首都グアテマラシティまでわずか40キロという距離にあるため、アルラ国際空港も火山灰のために閉鎖された。モラレス大統領は「少なくとも3つの地域が完全に荒廃した」と語った。
6年前にも噴火、3万人が避難した活火山
今回の噴火したフエゴ山は、標高3763メートルの高さを誇る南米でも指折りの巨大火山。名前の「フエゴ」とは、スペイン語で「火」のこと。日本の富士山と同様、何度も噴火を繰り返して固まった溶岩と火山灰によって形成される"成層火山"で、周期的に活動を繰り返しており、2012年9月にも噴火し周辺の住民33,000人が避難した。
現地メディアは溶岩流が民家を飲み込み、高速道路を破壊する様子などを伝えている。20人の犠牲者は、この溶岩流の速さのために逃げる間もなく家の中に閉じ込められてそのまま命を落としたという。
今回の災害に対して国際社会は支援を約束した。国境を接するメキシコ大統領は「メキシコは火山爆発で人命を失ったグアテマラ国民とモラレス大統領に哀悼を送る」と語り支援の用意を伝えた。またホンジュラス大統領は救急隊員の支援と移動式の避難所の提供を伝えたという。国連もさらなる被害を防止するために支援の検討を明らかにした。
イスラエルも現地大使館を通じて救援用品を支援することを決めた。グアテマラは米国に続いて駐イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移し、イスラエルとの関係を深めていた。
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