最新記事

宗教

「エホバの証人」を執拗に狩るロシア

2018年5月30日(水)18時54分
クリスティナ・マザ

ロシアでは「エホバの証人」が自宅でひっそり祈ることも許されない Vasily Fedosenko-REUTERS

<強い信仰で結ばれた信者たちが集会を開くことはおろか、自宅で祈りを捧げることも許さないロシアのやり方は明らかな人権侵害だ>

ロシアの厳しい「反過激派法」に違反したとして、宗教団体「エホバの証人」の信者26人以上が摘発を受けた。同団体によれば、うち7人は、公判前勾留により身柄を拘束されているという。

ロシア政府は2017年4月、エホバの証人を過激派組織に指定。以来、ロシアに住む信者推定17万5000人が、取り締まりの対象になっている。信者の礼拝所は強制捜査を受けて閉鎖され、自宅でひっそりと礼拝するようになっている。にもかかわらずロシア政府は、多数の信者を逮捕している。根拠となる刑法282条は過激派の活動を禁止する法律で、違反すると10年前後の実刑判決を受ける可能性がある。信者の逮捕は、ウクライナとの国境に近いベルゴロドから、中国や北朝鮮との国境に近いウラジオストクまで、ロシア全土に及んでいる。

エホバの証人の国際広報担当者デービッド・セモニアンは本誌にこう語った。「ロシア当局はエホバの証人を非合法化するだけでは満足できないということが、ここ数カ月ではっきりしてきた。当局は、ロシア憲法で保障されている信教の自由を否定するつもりだ」

5月中旬には9人が逮捕され、うち2人が、公判前勾留によりオレンブルグで身柄を拘束されている。直近では、5月27日にも逮捕者が出ている。複数の信者の話によれば、この日はFSB(ロシア連邦保安局)が、ロシア・タタールスタン共和国の北東部に位置するナーベレジヌイェ・チェルヌイ市で強制捜査を実施したという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、対中関税軽減も TikTok売却承認な

ワールド

デンマーク首相、グリーンランド併合を断固拒否 米に

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ1679ドル安 トランプ関

ワールド

関税に対する市場の反応、想定されていた=トランプ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中