米中が通商協議継続で合意 具体性を欠く共同声明に疑問の声も
今回、米国の貿易赤字削減に向けた合意を得るため、中国に知的財産権侵害の是正を求めて圧力をかける姿勢から転じたトランプ政権には疑問が投げかけられている。ZTEの制裁緩和についても不明なままだ。
ムニューシン財務長官は21日、ロス商務長官が来週中国を訪問し、米中両国が先週の通商協議で合意した大枠の最終化に向け協議すると発表した。ただ、最終合意には時間がかかるとみられている。
中国外務省の陸慷報道官は21日の定例会見で「中国は貿易やその他の分野において、米国との摩擦を望んでいない」と述べた。
中国市場における米企業に対する障壁の解消を求めていた一部の米業界団体は、今回のトランプ政権の対応に落胆している。在中国米商工会議所のトップを務めたジェームズ・ジマーマン氏は中国への制裁措置を猶予したトランプ政権の対応は時期尚早であり、米国の企業や従業員、消費者にとって「機会の喪失」を意味すると指摘。「中国側は、米国が具体的で意味のある譲歩を中国から引き出すことなく制裁から手を引いたと知って、ほくそ笑んでいる」と語った。
ゴールドマン・サックスはリサーチノートで、具体性を欠いた今回の共同声明について「中国側が通商協議を前進させる具体的な譲歩案を示したものの、他の部分を巡る意見調整が依然流動的なため、譲歩案を公表できなかったという可能性は排除しない」と指摘した。
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