板門店以外も人気スポットに:韓国国民の関心高まる軍事境界線
都市協力、スポーツイベント、経済協力も
ソウル市の南北交流業務を担うチームは現在4人体制で、市は規模を拡大して「局」の新設を推進する計画だ。2010年から南北交流事業を実施していないチームの存在感はなくなりつつあったが、ソウルと平壌の都市協力やスポーツイベントなどの交流事業に備える方向で考えている。
現代グループも玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長を筆頭に「現代グループ南北経済協力事業TFチーム」を本格稼動すると明らかにしている。
現代グループは1998年から金剛山観光や開城工業団地の開発など、南北の経済協力を進めてきた。2000年8月には現代峨山が鉄道、通信、電力、通川飛行場や金剛山の水資源と白頭山、妙香山をはじめとする名勝地の総合観光事業などの7大SOC事業権を取得した。
元山・通川地区協力事業開発に関する合意も結ぶなど積極的な展開を行ったが、2008年に金剛山観光が中断し、2016年には開城工業団地が閉鎖されて以降、北朝鮮関連事業は途絶えたままとなっている。
玄会長は、7大SOC事業再開に向けて万全の準備をしなければならないとしており、TFチームは、金剛山と開城の観光再開や開城工業団地再稼働など既存事業の準備事項の点検と、さらに北側と締結したSOC事業権に基づいて今後展開する南北経済協力事業を検討する。
関係者は息の長い「ブーム」に期待
融和と対立を繰り返してきた韓国と北朝鮮。平昌五輪を機にふたたび動き出した融和は合意が履行され、平和に向かうか気になるところだが、今後は良い方向に向かうだろうと専門家は分析する。
非武装地帯(DMZ)観光は、場所によって個人客はすぐにでも見学できるが、団体旅行客が見学できるのは申し込みから数か月先である。旅行業界が本格的な「南北首脳会談特需」を享受するのも数ヶ月先で、関係者は息の長い「ブーム」に期待を寄せている。