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世界中の海岸を襲うクラゲに、科学者達が立ち上がった

2018年5月7日(月)18時30分
松丸さとみ

プロジェクトではさらに、海のプラスチック汚染にも取り組みたい考えだ。というのも現在、海を漂うマイクロプラスチックが世界的に深刻な問題になっているが、クラゲの粘膜がマイクロプラスチックを吸着できることが分かったのだ。下水処理の段階でクラゲの粘膜を活用すれば、マイクロプラスチックが海へ流出するのを防げるかもしれないという。

イスラエルにあるハイファ大学の海洋生物学者ドロール・エンジェル氏が今年2月、クラゲの粘膜を採取してテストを行ったところ、結果は良好だったようだとポピュラー・サイエンスは伝えている。

環境問題の解決や美味しいお菓子など

ゴージェリーは他にも、クラゲを肥料や魚の餌などとして活用したり、クラゲのコラーゲンを使ってアンチエイジング化粧品を作ったりする方法も探るようだ。クラゲを肥料として活用する方法は、これまでも日本の科学者が研究に取り組んだ実績があり、養殖魚の餌としては、中国の科学者が研究した実績がある。

また、アジアとは異なりクラゲを食す文化がない欧米だったが、ゴージェリーは食への活用にも積極的だ。エタノールに漬けてから乾燥させて「クラゲ・チップス」を作ってみたり、チョコでコーティングしたお菓子を作ってみたりしているらしい。

クラゲがなぜここまで大量発生するのか、という問題については、明確なことは分かっていない。前述のガーディアンは、地球温暖化、魚の乱獲、そして防波堤の建築(クラゲの幼生の住みかとなる)など、人間が影響を与えていると指摘している。

ゴージェリーは、クラゲを活用する研究であり、大量発生の問題に根本から取り組むものではない。ゴージェリーのジャミーレ・ジャビッドポア氏はポピュラー・サイエンスに対し、この問題はまだ原因がはっきり分からず解決法も見つかっていないと説明。しかしゴージェリーの研究を通じ、クラゲという豊富な資源を無駄にせず、一時的であれ減らすために寄与したい、期待を述べた。


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