最新記事

トランプよ、北朝鮮の非核化だけでなく自国の軍縮プルトニウム問題も解決せよ

2018年5月1日(火)15時00分


最善策は計画中止

ロイターに宛てた電子メールで、同コンソーシアムは施設を完成させる予定だと述べ、「70%以上、完成している」と回答した。

NNSAのゴードン・ハガティ局長は3月、下院歳出小委員会で50%にも「遠く及ばない」と証言していた。政府説明責任局(GAO)の報告書は、建設の進行状況に関係なく、利益を保証する原価加算方式の契約を与えているとして、エネルギー省を批判している。

同契約が落札された後の2011年、「NNSAはプロジェクトを管理するための改革を行う必要性を認識した」と、NNSAのリンジー・ガイスラー報道官はメールで回答。請負や調達の監督強化のため新たな部門を立ち上げ、そうした慣行を著しく改善したという。

一方、核兵器管理とその政策決定を研究する米プリンストン大学のフランク・フォンヒッペル教授は、今後も監督強化が実現されることはないと話す。「エネルギー省の問題は管理者の質にある。一部を除き、非常に低い」と同教授は指摘する。「請負業者は彼らからカネを搾り取っている」

エネルギー省の委員会は2016年、米国にはMOX市場が存在しないと報告。MOX燃料棒を使用するには、民間発電所は原子炉を変更しなくてはならず、原子力規制委員会(NRC)から再び許可を得るには時間を要する。エネルギー省が望み得る最善策は、計画を中止することだと、同報告書は指摘している。

(翻訳:伊藤典子、編集:下郡美紀)

Scot J. Paltrow

[アマリロ(米テキサス州) 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ワールド

トランプ氏、中国による戦略分野への投資を制限 CF

ワールド

ウクライナ資源譲渡、合意近い 援助分回収する=トラ

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中