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医療【悲報】A型は他の血液型より下痢になりやすいことが判明
A型の人は「旅行者下痢症」になりやすい artist-unlimited-iStock
A型の人だけに見られる血液細胞の「取っ手」
血液型がA型の人といえばどんなイメージがあるだろうか? 几帳面、まじめ、などいろいろあるが、科学的な根拠には乏しい。しかしこのほど、科学的に裏付けされたA型の人の特徴が明らかになった。他の血液型と比べ、「旅行者下痢症」にかかりやすいとうことだ。
米セントルイス・ワシントン大学医学部の研究者が率いるチームが実験を行い、米科学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに結果を発表した。
米科学誌サイエンス・ニュース(電子版)によると、A型の血液細胞には、他の血液型には見られない糖分子が付いている。そしてA型の人の腸は、その糖分子で覆われている。病原性大腸菌はタンパク質を分泌するのだが、このタンパク質がA型の血液細胞のこの糖分子を取っ手のように使ってつかまり、下痢を起こさせる毒素を注入するのだという。
これまでも、大腸菌感染症が重症化する度合いは血液型が関連しているのではないかと見られていたが、今回の実験で、関連性がはっきりしたことになる。
なお「旅行者下痢症」とは、発展途上国など、衛生状態がよくない旅行先で下痢に見舞われるものだ。デジタル医学事典「MSD マニュアル」によると旅行者下痢症は、下痢だけでなく腹部けいれん、吐き気、嘔吐などの症状が出ることもある。
A型またはAB型の8割強が下痢を発症
実験は、ジョンズ・ホプキンズ大学にて行われた。実験に自発的に参加した健康的な成人106人に対し、大腸菌株を含んだ水を与えた。この大腸菌株は、バングラデシュでひどい下痢に見舞われた人から採取したものだ。
5日以内に、血液型A型またはAB型の人たちのグループでは、81%が中程度から重度の下痢になってしまった。一方で、血液型O型かB型のグループで下痢になった人の割合は、約半分だった。なお、実験参加者は後日、大腸菌株を除去するために抗生物質を投与されたという。
今回の実験から、細菌性タンパク質に働きかけるワクチンを投与することで、病原性大腸菌を原因とする下痢を予防できる可能性があることがわかった。細菌性タンパク質は、多くの大腸菌株に見られるという。
サイエンス・ニュースは、このようなワクチンは発展途上国など衛生状態のよくない場所に旅する人だけでなく、その土地で暮らす子供の助けにもなる、と伝えている。というのも、度重なる下痢が、栄養失調や成長不良の原因になりえるからだ。
ただし、サイエンス・ニュースはまた、下痢を引き起こすのは大腸菌だけではないとも指摘しており、手洗いをすること、水を浄化すること、が最も効果的な下痢の予防法だとしている。