ヒンズー教徒住民99人を虐殺! ミャンマーのロヒンギャには残忍な武装組織がいた
この「ARSAによる虐殺事件」は、その後バングラデシュに逃れたヒンズー教徒のラジ・クマリさん(18歳)やフォルミラさん(推定20歳)など親族や兄弟を殺害された生存者からアムネスティ・インターナショナル関係者が直接聴取した証言、されに提供された写真の法医学専門家による鑑定などに基づいているという。
村人のヒンズー教徒に黒装束の男らは「お前たちは仏教徒と同じ異教徒であり、我々とともにここで暮らすことはできない」と話していたことやロヒンギャ語を話していたことなどから男らはARSAのメンバーであることは間違いないと指摘している。
またARSAのメンバーは生存者らに「何かを聞かれたらミャンマー国軍に攻撃されたと言え。さもないと殺すぞ」と脅迫したという。
さらに報告書ではカ・マウン・セイク村近くのバウ・キャル村でも同日、女性や子どもを含むヒンズー教徒46人が行方不明になっており、いまだに消息がわからないことからARSAによって全員が殺害されたものと推定している。
ヒンズー教徒の集団墓地も発見
2012年頃にミャンマー治安組織の弾圧に抵抗する目的結成されたとされるARSAは結成当時総勢約100人規模で小火器や刃物、手製爆弾で武装していた。2016年10月に国境検問所などを襲撃して存在感を誇示。その後、勢力を拡大し2017年8月25日の警察襲撃などには国軍推計で約6500人が参加したとされている。
ARSAは「政府のアウンサンスーチー(国家最高顧問兼外相)によるARSA掃討作戦は2017年9月に停止したという説明は嘘で現在もロヒンギャ族女性や子供への無差別殺人は継続されている」としてヒンズー教徒の武装攻撃を正当化している。
こうしたことからミャンマー政府は2017年8月の警察署襲撃事件の発生以降、ARSAによる事件をたびたび指摘しているにも関わらず、国際社会の注目は国軍のロヒンギャ族への人権侵害に集まっていた。
2017年9月24日にミャンマー国軍は報道陣立会いの下、現地で虐殺されたヒンズー教徒の捜索作業を実施、45人の遺体を4つの集団墓地で発見し、ARSAの犯行を裏付けるものとして批判を強めた。