シリア攻撃をイラクが非難「テロ組織を助長する」
シリアは2017年11月にISISへの勝利を宣言。翌12月にはイラクが同様に勝利宣言を行った。これ以降、アメリカとトルコに対して部隊を撤退させるよう求める声が高まっている。イラクおよびシリアの政府がアメリカと敵対関係にあるイランと緊密な関係にあることが、この地域の力学を複雑にしている。
13日のアメリカ主導のシリア空爆はこうしたなかで実行された。中東諸国の中で空爆を非難した国は少なかったが、その一つがイラクで、無断で領空を使われたとするレバノンも非難の声を上げている。
イラク外務省は14日に声明を発表。化学兵器については非難する一方で、シリアにおける最近の情勢に懸念を表明し、国際社会に対してシリアの危機には政治的解決を模索し、テロとの戦いに集中するよう呼びかけた。
シリアとロシア、イランとの関係が鍵に
声明は、反政府勢力との戦闘を続けるアサド政権を支援し、中東でアメリカと影響力を争うロシアとイランに同調するものだ。ロシアは、自国の兵士が危険にさらされると判断した場合には、アメリカのミサイルだけでなく発射車両も攻撃すると警告している。
シリア政府はロシアとイランにのみ国内駐留を認めており、アメリカとトルコに対しては部隊の撤退を求めている。シリア、ロシアとイランの政府はいずれも、アメリカが地域の秩序を乱す手段としてISISやその他のイスラムテロ組織を支援していると非難していた。
(翻訳:森美歩)