東南アジアで相次ぐリゾート地閉鎖 中国人観光客など膨張で環境負荷が極限に
「バリ島の環境状態は現在、加速度的に悪化が進んでいる」と、同国の環境NGO「Indonesian Forum for Environment」のI Made Juli Untung Pratama氏は指摘。
「原因は、バリの環境を適切に考慮せずに行われる大規模な観光宿泊施設の建設にある。そのような開発がバリに環境危機をもたらしている」と同氏は語った。
ボラカイ島のような観光地の閉鎖は、今に始まった事態ではない。マレーシア当局は2004年、世界有数のスキューバダイビングの名所があるシパダン島の全ホテルを閉鎖した。同島の生態系を保護するためだ。その後、観光客の数も制限した。
しかし、このような徹底的な対策は遅きに失することがしばしばで、地域全体でより持続可能な解決策が必要だと指摘する声もある。
「積極的な環境保護対策は、後手に回る対策よりもはるかに効果的なアプローチだ」と、観光コンサルティング会社「ホーワスHTLインドネシア」のマット・ゲビー氏は指摘。
「サンゴ礁や侵食されたビーチ、荒廃した森林を6カ月で回復させることなどできない。積極的な保護こそ、リゾート地の長期的な持続可能性には不可欠だ」と同氏は語った。
(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)
[シンガポール/バンコク 6日 ロイター]