統合型IR実施法で与党が合意 「国内居住者6000円」で海外カジノ業者の評価は?
認定区域は3カ所以内
与党合意によって、認定区域の上限は3カ所となった。自民党は5―6カ所を主張していたが、慎重派の公明党の主張に歩み寄った。
IR設置に手を上げている地方自治体の中では、大阪府が最有力候補とみられている。北海道と九州にも候補地がある。業界関係者によると、認定区域の選定は早くても2019年後半になる見通し。
CLSAのアナリスト、Jay Defibaugh氏は「最初は1カ所だけの都市型リゾートで開始、おそらく大阪となる可能性が強くなってきた」と見通しを示す。
同氏は、日本における初期のIRの姿は、かつて自分たちが予想していたのとは違うものとなりそうだ、と話した。
与党合意では、日本人と居住者のカジノの入場料を6000円とすることになった。公明党が主張したシンガポール並みの8000円より低く設定された。海外旅行者の入場は無料。
高い入場料の設定は、ギャンブル依存症を懸念する野党への配慮が反映されている。共同通信の3月調査によると、日本人の65%がカジノに反対と回答、賛成は26%だった。
一方、日本の富裕層を狙うカジノ運営会社は、入場料を課すことにも反対している。6000円でも事業に影響があるとの見方も聞かれる。ある大手運営会社の幹部は「最大の問題は入場料。ギャンブルが大好きな人以外は、カジノに行こうと思わないだろう」と語った。
(Thomas Wilson 翻訳:宮崎亜巳)
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