トランプ政権、議員との協議公開で政治をリアリティー番組化
3月1日、米首都ワシントンが、テレビのリアリティー番組化している。写真中央右はトランプ大統領。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)
米首都ワシントンが、テレビのリアリティー番組化している。トランプ大統領は、ホワイトハウスにテレビカメラを入れ、通常は非公開で行われて激しい議論が交わされる議員たちとの会合を公開している。
だが、政策はその場の状況に応じて決定されるようだ。
トランプ大統領の知的な鋭さを疑問視する批判に反論するかのように、そのような会合は、大統領が問題に関心を抱き、積極的に関与しているかのように見せている。だが政策を進める上で、ほとんど効果はない。
実際の成果はほとんど見られないにもかかわらず、そうした会合に出席し続ける民主党議員らは、会合が14シーズン続いたトランプ氏の番組「アプレンティス」の単なる焼き直しではないかという疑念を強めている。
「話し合うことはいいことだが、まるで大統領のショーのようだ」と、貿易についてトランプ大統領と協議した民主党のシェロッド・ブラウン上院議員はロイターに語った。
「問題なのは、大統領が皆の言うことに何でも同意していたことだ。われわれが反対のことを述べることがあっても、だ」と同議員は明かす。
2月28日に行われた銃規制に関する会合では、トランプ大統領は活発な協議を取り仕切り、共和党議員が通常支持する以上に厳格な銃規制を支持した。
では、それが何かに発展するのだろうか。
移民に関する似たような会合に出席したというディック・ダービン民主党上院議員は、次のように警告する。「私からのアドバイスは、最善の結果を期待する、ということだ。48時間以内に大統領が考えを変えても驚いてはいけない」と、ダービン議員は28日、記者団にこう述べた。
トランプ氏に近い人物らによると、そのような会合を公開することにより、国民に直接メッセージを届け、共和・民主両党の議員らと、彼のスタイルの違いを際立たせることができるという。
「彼はリアリティー番組を15年もやってきた。番組では、自身のビジネス活動のあらゆる面を見せることもしてきた」と、トランプ氏の友人であるクリス・ラディ氏は言う。「素晴らしい。キャストに米上院議員を連ねるとは」
とはいえ、そうしたキャストたちは、カメラが回り、それが自身の行動にどう影響するかを認識している。
共和党の戦略担当チャーリー・ブラック氏は、協議か公開されることについて、「ニュースをつくるには有効なやり方だが、政策を交渉するにはそうとは言えない」と指摘。テレビで生放送される場合、参加者は真剣に交渉することを避けようとすると同氏は付け加えた。