最新記事

核開発

「北朝鮮制裁は核放棄が目的、政権転覆意図せず」 韓国外相、軍縮会議で

2018年2月28日(水)11時16分

2月27日、韓国の康京和外相は、スイスで開催されているジュネーブ軍縮会議で、北朝鮮への制裁は核放棄を促す狙いがあり、「政権転覆」が目的ではないとの認識を示した。会見する同外相。ジュネーブで撮影(2018年 ロイター/Denis Balibouse)

韓国の康京和外相は27日、スイスで開催されているジュネーブ軍縮会議で、北朝鮮への制裁は核放棄を促す狙いがあり、「政権転覆」が目的ではないとの認識を示した。

ただ、北朝鮮の韓大成(ハン・テソン)駐ジュネーブ国際機関代表部大使は同会議で、制裁は効果がないと主張。米韓が計画する合同軍事演習の再開は「南北関係の改善に向けた現在の前向きなプロセス」を損ねることになると警告した。

韓国の康外相は、「制裁はそれ自体が目的ではなく、政権転覆を意図しない。北朝鮮の将来は核兵器ではなく、非核化に向けた国際社会との協力にかかっていると分からせる狙いがある」と表明。

その上で、北朝鮮が正しい決断を下せば、「われわれは北朝鮮の明るく豊かな未来のために協力する用意がある」と語った。

北朝鮮の韓大使は、米国は平昌冬季五輪を機に改善した南北関係を脅かす「危険な動き」に出ていると批判。「米国は、制裁と圧力は決して北朝鮮への脅威にはならず、効果を表さないことに気付くべきだ」とけん制した。

トランプ米政権に対し、朝鮮半島周辺の核設備の配置や合同軍事演習など「緊張を高める挑発行為」をやめるよう訴えた。

米国のロバート・ウッド軍縮大使は、米国は北朝鮮を核保有国と認めることは決してないと強調。国際社会の要請に応じ、核開発を停止すべきだと指摘した。

堀井学外務政務官は、北朝鮮の核、弾道ミサイル発射実験は容認できないと強い語調で警告。「ほほ笑み外交」に目を奪われてはならないとも述べた。

[ジュネーブ 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中