米国防省、北朝鮮の核攻撃に向け準備 放射線治療薬の開発急ぐ
プルリステムは、被ばくする前に注入すれば、放射能中毒の重症化を予防あるいは症状を緩和することが可能な注射剤を開発している。
「米軍への予算拡大は、新薬の開発を早める可能性がある」と、同社北米部門のカリーヌ・クラインハウス副社長は指摘。
「ロイキン、ニューラスタ、ニューポジェンのどれも、白血球にしか作用せず、赤血球と血小板には効果を及ぼさない。(試験薬)PLX‐18の投与においては、被ばく量の事前把握や一連の血液検査といったことは不要だ。したがって、多くの被害者が出ているような状況に適している」と、自社の試験薬についてクラインハウス氏は語った。
米航空宇宙局(NASA)も昨年8月、米厚生省傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)と提携し、宇宙放射線が宇宙飛行士に与える影響に対処すべく新薬の開発を行っている。
NASAの放射線学専門家、ホングル・ウー博士はロイターに対し、被ばくする前に摂取できる薬に関心があることは間違いないと語った。
被ばく後に服用する治療薬「ヘママックス」を開発中であるニューメディシンズのレナ・バジーレ最高経営責任者(CEO)は、被ばくする前に服用する治療薬は、軍職員や救急隊などの初期対応者に限られるため、成長する機会が損なわれるとの見方を示した。
「事前に服用する薬は民間人に与えることができない」とバジーレ氏は言う。
プルリステムは、自社治療薬をがん患者の治療にも拡大する計画だと、共同CEOのYaky Yanay氏は明らかにした。10億ドルを売り上げる可能性があると同氏はみている。
「さらにずっと大きな抗がん剤市場に注目している」とYanay氏は語った。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
[31日 ロイター]
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