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生態学

蚊にも学習能力があることが判明!  疫病感染予防に期待も

2018年2月1日(木)20時00分
モーゲンスタン陽子

また、蚊の種類によっては季節や環境(十分な宿主がいるかどうか、など)によって、メインターゲットである宿主を、たとえば鳥類から哺乳類に変えたりするものがある。今回確認された学習能力がこのような「好み」にどのように影響を与えるかというのも今後の研究課題だ。

カリフォルニア大学デイヴィス校で蚊と人間の相互作用を研究する生態学者ウォルター・リールも「記憶は重要なことだが、蚊の研究においては完全に蚊帳の外だ」と言う(ナショナル・ジオグラフィック)。

毎年大勢が命を落とす危険なウィルスを媒介するネッタイシマカについては、その遺伝子操作についても研究が進んでいるようだ。アメリカでは研究者たちが特定の遺伝子変異を数世代で種全体に広める「遺伝子ドライブ」という技術で疫病根絶を目指すいっぽうで、国防総省はその技術を、国家安全上の機密とみなし、厳重に扱っている(ワイアード)。

だが、蚊の学習能力についての研究が進めば、遺伝子操作技術を用いることなく、媒介を防ぐ方法が見つかるかもしれない。

少なくとも、あの嫌な臭いでベタつく防虫スプレーに我慢する必要がなくなることを期待したい。

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