最新記事

金融

ここでもAIが人間を駆逐? 商品先物取引市場、人工知能が主役に

2018年2月15日(木)12時14分

コンピューターによる取引を導入したファンドは、アルゴリズム取引は市場に不可欠な流動性を供給しており、市場の流れをつかまえる上で従来型ファンドよりも効率が良いと主張している。こうした取引の普及はAIやロボット化など社会全体の大きな流れの一環だという。

GAMシステマティックの共同ヘッドのアンソニー・ローラー氏は「(従来型の資産運用会社に対して)すまないという気持ちはない」と話す。情報はかつては高価で入手が難しかったが、今ではいたるところに存在しており、それを素早く消化し、分析したものが優位に立つとの立場だ。

ローラー氏もコンピューターによる取引が間違いを犯すことがあり得ると認めているが、それは従来型のファンドにとってむしろチャンスになるはずだと指摘した。

しかし農産物の生産者などは、証券取引所が一部の金融機関や投資家に取引所内にコンピューターを設置し、注文執行時間の短縮を認めているのは不公平だと訴えている。

一方、ファンドマネジャーやアナリストからは、コモディティ市場は銀行や年金基金が資金を引き揚げた結果、コンピューターを使った取引によって相場が大きく変動しやすくなっているとの声も上がっている。

(Eric Onstad記者)

[ロンドン 12日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




特集:AI 新局面【本誌2/20号】特集:特集:AI 新局面

仕事を奪うとばかり恐れられてきた人工知能AIが新たにつくり出す可能性と、それでも残る脅威

テクノロジー AIが人間に雇用を取り戻す日
■情報 正しく理解するための基礎知識
インタビュー 「AIを制するのは中国だ」
製薬 難病の治療薬もデータが見つける
音楽 AIロックスターがやってくる
課題 「差別するAI」が生まれる理由
詳しくはこちら=>>

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日経平均は3日続伸、ハイテク株が指数けん引 取引一

ビジネス

午後3時のドルは155円後半で堅調、米大統領の発言

ワールド

ブラジルCOP30議長、米のパリ協定再離脱の影響懸

ワールド

韓国、務安空港のコンクリート構造物撤去へ 旅客機事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 8
    トランプ新政権はどうなる? 元側近スティーブ・バノ…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    米アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが大型ロケット打ち…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中