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中東イラン反政府デモ拡大で死者21名に 革命防衛隊は鎮圧部隊派遣
1月3日、イラン全土に反政府デモが拡大する中で、最高指導部直属の革命防衛隊のジャファリ司令官は、鎮圧のために3州へ部隊を派遣したことを明らかにした。写真は12月30日にテヘランで行われた抗議活動。提供映像(2018年 ロイター)
イラン全土に反政府デモが拡大する中で、最高指導部直属の革命防衛隊のジャファリ司令官は3日、鎮圧のために3州へ部隊を派遣したことを明らかにした。
デモは若者や労働者が経済的な苦境や汚職を巡る不満を表明する形で始まったが、次第に現在の指導部、特に最高指導者のハメネイ師の政治全般に対する批判へと発展しつつある。米国やイスラエルがイラン政府を非難するなど国際的な波紋も広がっている。
反政府デモは既に21人の死者が出ている。司法当局者が場合によっては拘束者を死刑にする可能性もあると示唆したものの、再び活発化の様相を見せている。これまでに最も犠牲者が多かったのはハマダーン、イスファハン、ロレスターンの各州で、ジャファリ氏はこれらの地域の「新たな扇動」に対処する目的で部隊を派遣したと説明した。
3日にはいくつかの都市で当局側が動員した人々が政府支持を訴える集会に参加し、国営テレビはイラン国旗とハメネイ師の肖像を掲げて行進する群衆を放映した。
ジャファリ氏は、政府支持集会の盛り上がりがデモの収束を物語っていると強調した。各地で政府支持に加わった人数はそれぞれ最大1500人とし、反政府集団は全国合計でも1万5000人以下だったとの見方を示した。
今回のデモは自然発生的で、はっきりした指導者が存在しないとはいえ、ある程度教育水準のある中間層や2009年の抗議活動に参加した人々などの間で支持を拡大している。