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貿易決裂したWTO閣僚会議 米通商代表「重要分野交渉は再スタート必要」
12月14日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表(写真)は、前日までブエノスアイレスで開かれた世界貿易機関(WTO)閣僚会議が米国などの反対で閣僚宣言を採択できずに閉幕したことを受け、国益を追求した一部の国々の勝利との見方を示した。写真は11日ブエノスアイレスで撮影(2017年 ロイター/Marcos Brindicci)
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は14日、前日までブエノスアイレスで開かれた世界貿易機関(WTO)閣僚会議が米国などの反対で閣僚宣言を採択できずに閉幕したことを受け、国益を追求した一部の国々の勝利との見方を示した。
ライトハイザー代表は14日に出した声明で、今回の閣僚会議について「WTOの行き詰まりが解消された節目と記憶されるだろう」と称賛。「数少ない加盟国が反対するために、同じ意見の加盟国による行動が妨げられることのないよう、WTOは重要分野については新たなスタートを切る必要があると、多くのメンバーが認識した」と述べた。
ただ、同代表の好意的な評価とは対照的に、2年に1度のWTO閣僚会議で電子商取引(eコマース)や漁業補助金禁止といった比較的小さなテーマでも合意できなかったことに落胆する参加者もいた。
閣僚宣言の採択には加盟する164カ国・地域の全会一致が必要。
ライトハイザー代表は閣僚会議の冒頭にWTOへの厳しい批判を展開し、新ルールの交渉は不可能だとしていたものの、新たなeコマースの通商ルール策定や食の安全に関する不当な貿易障壁の解消で一部の加盟国と意見が一致した。また、日本や欧州連合(EU)と連携し、中国を念頭に、市場を歪める貿易慣行や生産設備の過剰を招く政策を是正していく方針を表明した。
ライトハイザー代表は閣僚会議が閉幕する前にブエノスアイレスを離れた。
今回、USTR代表がWTO交渉の新たな方向性を示したことで、トランプ大統領の公約通りに米国がWTOから離脱するとの懸念は和らぐ可能性がある。
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