最新記事

中東

エルサレムでイスラエル人がパレスチナ人に刺され重体 米方針転換の余波続く

2017年12月11日(月)09時31分

12月10日、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定してから4日が経ち、パレスチナ自治区で続いていた抗議活動はほぼ収まった。写真はイスラエルの国旗を燃やす抗議者、10日カイロで撮影(2017年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)

トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定してから4日が経ち、パレスチナ自治区で続いていた抗議活動はほぼ収まった。

一方、エルサレムではパレスチナ人がイスラエル人警備員を刺す事件が新たに起き、レバノンの首都ベイルートにある米国大使館の近くではデモ隊と治安部隊が衝突するなど、米国の方針転換の余波は続いている。

イスラエルのリーバーマン国防相は10日、軍のラジオで「すべての物事が落ち着き、暴動や暴力のない普段の生活に戻ることを望む」と述べた。

警察によると、エルサレムの主要なバスターミナルで10日、24歳のパレスチナ人の男がイスラエル人警備員を刺す事件が発生。男は通行人に取り押さえられ、警察に身柄を拘束された。刺された警備員は重体となっている。

また、隣国レバノンのベイルートでは10日、エルサレムを巡るトランプ大統領の決定に抗議するデモ隊と治安部隊が衝突。デモ参加者が米国大使館の近くで米国やイスラエルの国旗を燃やし、大使館に通じる道を封鎖した治安部隊に石などを投げたのに対し、治安部隊は催涙ガスや放水銃で対応した。

これとは別に、パレスチナ自治政府のマリキ外相は9日、アッバス議長が中東を訪問するペンス米副大統領と面会しないと発表。ホワイトハウスは10日、パレスチナ自治政府の決定は「残念だ」とした上で、副大統領は中東訪問でイスラエルのネタニヤフ首相とエジプトのシシ大統領と会うのを楽しみにしていると明らかにした。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米が関係改善望むなら応じる用意、次期政権の出方次第

ワールド

ガザで報道車両に空爆、イスラエルは戦闘員標的と説明

ワールド

台湾総統府、中国との有事想定した初の机上演習

ワールド

イスラエル右派閣僚がアルアクサモスク訪問、ガザ人質
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 2
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 3
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシアの都市カザンを自爆攻撃
  • 4
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 5
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 6
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 7
    「とても残念」な日本...クリスマスツリーに「星」を…
  • 8
    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …
  • 9
    日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落
  • 10
    滑走路でロシアの戦闘機「Su-30」が大炎上...走り去…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 7
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 8
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 9
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 10
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中