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ロシア疑惑

トランプを追い込む特別検察官の秘策

2017年12月11日(月)12時05分
ジェッド・シュガーマン(米フォーダム大学法学大学院教授)

起訴される可能性があるのはトランプとクシュナーだけではない。ペンスも苦しい立場に追い込まれた。

トランプはコミーの更迭を決めた5月、解任理由を説明した書簡をペンスやホワイトハウスの法律顧問に見せ、ペンスらは文言をもっと穏当なものに変えた。もしコミーの解任を後押しする目的やトランプの司法妨害を隠そうとする狙いがあったとしたら、司法妨害の共謀または幇助に問われる可能性がある。

最後に、フリンの捜査協力が重要な意味を持つ理由はもう1つある。「囚人のジレンマ」を生み出す可能性があることだ。

例えばある囚人(または被告、容疑者)が司法取引を拒み、他の囚人も同様に拒否すれば、全員が無罪放免になる状況があったと仮定する。ところが自分は取引を拒否しても、他の誰かが取引に応じてその囚人の関与をほのめかせば、彼はひどく重い刑を科せられるとしたら?

これまで捜査協力を申し出たのはパパドプロスのような小物だけだったが、フリンがムラーに協力する姿勢を示したことで状況は一変した。これをきっかけに沈黙の壁が崩れ、捜査協力を申し出る関係者が続出するかもしれない。

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© 2017, Slate

[2017年12月12日号掲載]

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