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環境問題トランプ、ユタ州の国定記念物保護地域を大幅縮小 ナバホ族など猛反対
12月4日、トランプ米大統領(中央)は、ユタ州にある2カ所のナショナル・モニュメント(国定記念物)指定保護地域の範囲を大幅に縮小すると発表した。同州で撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)
トランプ米大統領は4日、ユタ州にある2カ所のナショナル・モニュメント(国定記念物)指定保護地域の範囲を大幅に縮小すると発表した。これらの地域の開発促進が狙いだが、ナバホ族などの先住民や環境保護団体は猛反発しており、訴訟を通じて異議を申し立てる構えだ。
この決定は、トランプ氏が4月にこれまでのナショナル・モニュメント指定を再検討して州や自治体の土地管理権限を拡大するよう求める大統領命令を発し、内務省が審査した結果を受けたもの。
トランプ氏は「ユタ州の天然資源を遠く離れたワシントンで一握りの役人がコントロールすべきだという考えをどう思うか。それは間違いだ」と語った。さらに過去の大統領たちが自らの権限で指定できるナショナル・モニュメントを乱発し、鉱業や石油開発のための土地利用を不必要に大きく制限してきたと批判した。
今回の決定で、オバマ前大統領が指定した130万エーカー(50万ヘクタール)に及ぶベアーズ・イヤーズ地域は、2つに分割されて計22万8784エーカーに縮小。クリントン元大統領が指定したグランド・ステアケース・エスカランテ地域もほぼ半分となり、3つに分けられる。
これに対してナショナル・モニュメント指定を推進し、地域の現地管理をしている5つの先住民部族の指導者は、トランプ政権を訴えると表明した。ネーティブ・アメリカンの権利保護のための基金の代理人は「5部族はベアーズ・イヤーズを守るために団結している」と述べた。
環境保護団体やアウトドア用品を扱うパタゴニアも、トランプ政権はナショナル・モニュメントに対する国民の支持を無視していると主張し、裁判を起こす意向を示している。
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