高いIQは心理・生理学的に危険――米研究
IQテスト自体に疑問を感じる声もある。高得点が出るということはIQテストの点数を(意図的に)上げることができると信じている人もいるようだ。結局のところIQは「知性」を測る非常に狭い尺度だと認めざるをえない。
また、社会的にも経済的にも地位が高いほどIQが高くなるという現象が複数報告されている。これはどういうことか。英ガーディアンは、IQを測定することは特権的なことだとし、操作されている可能性を指摘する。
イギリスのボリス・ジョンソン外相はロンドン市長を務めていた2013年に「IQテストの価値をどう考えていようとも、これが格差問題を議論するうえで意味を持つものであることは間違いない。人類の約16%はIQが85以下、約2%はIQ130以上だ」と言い、格差と知性との関連性を暗に示唆して反感を買った。
IQは社会経済的不平等を正当化する以外に、人種差別を強化する重要なツールにもなっている。 1994年にアメリカで出版された『The Bell Curve』は人種とIQの関連性を調査した。つまり、アフリカ系アメリカ人は白人のアメリカ人よりも低い得点だったという内容があり、一部の民族は他の民族よりも劣るということを示唆した。
しかし、IQ至上主義時代は間もなく終焉を迎えるかもしれない。もちろん指数関数的に知性を増してきた人工知能(AI)と人間の知性をいっしょくたにはできないが、コンピューターがより賢くなるにつれ「人間の知性」への考え方も大きく変わっていくことだろう。
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