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米国の国連大使「戦争なら北朝鮮政権は完全に破壊される」と警告

2017年11月30日(木)12時21分

11月29日、ヘイリー米国連大使は、米国が中国に対し、北朝鮮への石油供給断つよう要請したことを明らかにし、「万が一、戦争になれば、北朝鮮政権は間違いなく、完全に破壊される」と警告した。写真はソウルで北朝鮮のミサイル発射実験に関するTVニュースを見る人々(2017年 ロイター/Kim Hong-Ji)

ヘイリー米国連大使は29日、米国が中国に対し、北朝鮮への石油供給断つよう要請したことを明らかにし、「万が一、戦争になれば、北朝鮮政権は間違いなく、完全に破壊される」と警告した。

ヘイリー大使は国連安全保障理事会の緊急会合で「米国は北朝鮮との戦争を求めたことはなく、現在も求めていない。万が一、戦争が起きるとすれば、それは昨日のような敵対行為の継続が原因だ」と述べた。

トランプ米大統領も同日、中国の習近平国家主席と電話会談を行い、北朝鮮に対し圧力を掛けるよう呼び掛けた。

北朝鮮は現地時間29日未明、同国西岸から大陸間弾道弾(ICBM)とみられるミサイル1発を発射。ミサイルは高度4000キロ以上に達し、53分程度飛行、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。通常の打ち方をすれば米国東海岸まで届いた可能性がある。

ホワイトハウスの声明によると、トランプ大統領は習国家主席に対し、「挑発的な行動をやめ、非核化の軌道に戻るよう北朝鮮を説得するためにあらゆる手段を尽くす」よう求めた。

中国の国営新華社はこれについて、習国家主席は電話でトランプ大統領に対し北東アジア地域の平和と安定の維持、および朝鮮半島の非核化が中国にとり揺るぎない目標となっていると伝えたと報じている。

習国家主席との電話会談後、トランプ大統領はミサイル発射を受け北朝鮮に対する追加制裁を導入する意向を表明。「きょう、北朝鮮に対する追加制裁を導入する。こうした状況に対応する!」とツイートした。ただ制裁の具体的な内容などについては明らかにしていない。

中国も懸念表明

中国外務省は29日、北朝鮮のICBM発射実験に対し、「重大な懸念」を表明。同省の耿爽報道官は定例記者会見で、関係各国に対し平和と安定の維持に向けて慎重に行動するよう求めた。

また、国連のフェルトマン事務次長(政治局長)も同日、北朝鮮の新たな弾道ミサイル発射を受けて同国の慈成男(チャ・ソンナム)国連大使と会談し、さらなる不安定化を招く行為を停止するよう求めた。

フェルトマン氏は北朝鮮のミサイル発射を受け開かれた国連安全保障理事会で「会談では、朝鮮半島で今起きていることは世界の平和と安全にとってこれ以上ないほど危険だと強調した」と明かした。

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