パイロットが足りない! 米軍が任務急増で悲鳴
ヘザー・ウィルソン空軍長官も、11月9日に行った毎年恒例の空軍活動報告会見でパイロット不足への懸念を表明。「われわれは軍の人員を、機能しないほど疲弊させている」と、ウィルソンは語った。
「任務の急増が、米空軍の『新常態』になっている。先週会った人物は17回目の国外任務から帰国したという。数年間は対応できるかもしれないが、軍人の家族たちはいずれ、このペースで任務を続けていくのは無理だと判断するようになるだろう」
こうしたなか、ドナルド・トランプ米大統領は10月、パイロット不足の問題を解決するための大統領令に署名した。即戦力のあるパイロットを確保するため、退役したパイロット最大1000人の現役復帰を可能にする内容だ。従来の法律では、陸・海・空軍が一度に復帰させることができる退役軍人の数はわずか25人に制限されていた。
だが空軍は、この大統領令も大幅なパイロット不足の解決策にはならないとの見解を表明した。既に2000人が不足している状態では、退役パイロットを復帰させるだけでは需要を満たせないという。
「柔軟な対応はありがたい。だがわれわれが望んでいるのは、数年だけではなく、長期にわたって働けるパイロットを確保することだ」と、空軍の報道官は14日、FOXニュースに語った。同報道官によれば、空軍では10~20年働くことができるパイロットを探しているという。
朝鮮半島では軍事的緊張が高まっているが、米軍の「敵」は足元に潜んでいるようだ。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>
[2017年11月28日号掲載]