犬の外出時、口輪装着を義務づけるかで論争に 韓国最新ペット事情
スーパージュニアのシウォンと事故を起こしたBUGSY
<K-POPアイドルの愛犬によるかみつき死亡事故をきっかけに、厳しい規制が検討されている韓国。そのペット事情とは?>
韓国の男性人気アイドルグループ「スーパージュニア」のメンバーであるチェ・シウォンの愛犬、フレンチ・ブルドックのBUGSYが隣人女性の脚を噛んでしまい、彼女は敗血症を発症して6日後に死亡するという事件が起こった。飼い主が人気アイドルだったこともあり注目された事件となったが、さらに亡くなった女性が韓国料理の有名な老舗「韓一館」の代表だったこともさらに話題を呼ぶきっかけとなった。もちろん、シウォンと父親のチェ・ギホはマスコミを通じてすぐに謝罪を表明し、シウォンは、先月末芸能活動を休止することをオフィシャルサイトで発表したが、この事件は様々な方面に波紋を呼んでいる。
まず、事件後すぐに、あるマスコミでこの犬を安楽死させるか否かのアンケートが実施され、これに対し「安楽死の選択は飼い主が判断することなのに不快だ」といった声が多く寄せられる騒動が起きた。また彼が所属するアイドルグループ「スーパージュニア」は、今月6日に新作アルバムを発表したが、これに伴うテレビ出演などの活動はシウォン抜きで行われることとなった。
そして今まで攻撃性のある6種類の犬種とその雑種以外、普通の犬の散歩時にはリードを付けること以外特に細かな規制がなかった韓国だったが、今回のこの事件を受け京畿道では、「15キロ以上の犬は口輪をはめる事」「リードの長さは2m以内とすること」という条例を設け、来年3月から実施することを発表。この条例を守っていない飼い主には、初回10万ウォン(約1万円)、2回目20万ウォン、3回目50万ウォンと段階を分けて罰金を徴収するという。
京畿道がこの規制を作った背景には、10月31日と11月1日の2日間、京畿道の住民1000人を対象にアンケートを実施したところ、なんと92%が「犬の外出時の口輪義務化」に賛成したからだ。また、これに対し、飼い主の88%がその結果に賛同した。「もしも、飼い犬が人を噛んだ場合の処罰をもっと重くするべきだ」の質問に対しては、京畿道民の81%が賛成。飼い主も67%が処罰の見直しに同意した。京畿道がこの調査を実施したのは、やはり今回の死亡事故で犬のかみつき事故が注目されたからだといえる。ただ、犬種や性格などを無視して体重をもとに規制する方針には強く反対する意見も出されて、条例改正作業は現在一時保留中となっている。