韓国が目指す平昌「平和五輪」を北朝鮮が吹き飛ばす?
高速鉄道を狙うテロも
平昌五輪に合わせて、北朝鮮が行う妨害工作には3つのシナリオが想定できる。
<その1>頻度と規模を上げてミサイル発射と核実験を実施する。それによって選手団や観光客が韓国行きを見合わせれば、北の思う壺だ。しかし国際社会はこの手の挑発には既に慣れっこになっていて、ミサイルが飛んだ程度では五輪はつぶれない。
<その2>軍事境界線を越えて韓国軍にちょっかいを出し、小規模の軍事衝突を引き起こす。五輪ムードに水を差すには、こちらのほうが効果的だろう。
<その3>韓国に潜伏する工作員を使って、首都ソウルへの空の玄関口である仁川国際空港や、ソウルから平昌への移動に使われる高速鉄道の駅などでテロ攻撃を行う。これは大きなリスクを伴う攻撃だが、マレーシアの空港で金正男(キム・ジヨンナム)を暗殺したように、北朝鮮は必要とあらばどんな危険な作戦でも実行する。
いずれにせよ朝鮮半島の緊張がかつてなく高まっている今、北朝鮮が平昌五輪に照準を合わせて挑発行動に出れば、火に油を注ぐ結果になるのは明らかだ。
アメリカは軍事的圧力をさらに強め、韓国国内では文政権の弱腰対応に批判が高まるだろう。空母3隻態勢の米艦隊が近海に展開し、交渉ルートが断たれた状態で、アメリカや韓国で「北朝鮮をやっつけろ」の声が高まれば、本格的な戦争に突入するのは時間の問題だ。北に節度があることを祈るしかない。
<本誌10月31日発売最新号掲載>
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From thediplomat.com