ニジェールでの米兵襲撃は「トランプのベンガジ」に?
オバマより誠実だと主張
12年9月、リビア東部のベンガジで武装勢力が米領事館を襲撃し、駐リビア米大使らが死亡した。オバマ政権は当初、CIAの誤った情報に基づいて事件を説明したため、責任逃れのための隠蔽工作ではないかと共和党に攻撃された。
当時、国務長官だったクリントンは領事館の警備強化を怠った責任を問われ、16年の大統領選まで「ベンガジ疑惑」にたたられることになった。16年6月の最終報告書でクリントンの嫌疑は晴れたが、保守系メディアはいまだに「ベンガジの欺瞞」を批判している。
トランプはニジェールの事件について沈黙し続けていたが、17日に記者に問い詰められてようやく亡くなった兵士の妻に電話をした。しかも、その際バラク・オバマ前大統領は戦死した米兵の遺族に電話などしなかったと、でたらめな主張をした。
電話で兵士の遺族を傷つけたとの批判に対しても、トランプはウィルソンの捏造だと主張。しかし兵士の母親はトランプが「私の息子と義理の娘、私と夫の尊厳を傷つけた」とメディアに語っている。
事件当時ニジェールには約800人の米兵が駐留。中部の都市にドローン(無人機)の基地を建設中で、死亡した4人は対テロ作戦でニジェール軍兵士の訓練を担当していた。
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