金正恩、党大会終えた習近平に祝電 冷めた同盟は改善するか?
KCNA -REUTER(left)、POOL New-REUTER(right)
<北朝鮮の度重なる核・ミサイル実験に、国連安保理の経済制裁を履行し始めた中国。同盟関係も冷え込んだかに見えた両国だが、中国の共産党大会に金正恩が祝電を送った。その真意とは?>
北朝鮮の金正恩労働党委員長は25日、中国の習近平総書記に共産党大会への祝賀メッセージを送った。
相次ぐ北朝鮮の核・ミサイル実験に業を煮やした中国当局が国連安保理の制裁決議に賛同し、北朝鮮への貿易を制限していることで、かつての同盟関係にひびが入った状態の両国。当初は中国の共産党大会に合わせて北朝鮮が新たな挑発行動に出るのではないかと見られていた。
だがどうやら金正恩は、中国とのこれ以上の関係悪化は得策でないと判断したようで、挑発行為をしなかったばかりか、中国共産党大会の開幕時と閉幕時に2度祝賀メッセージを送った。10月10日の朝鮮労働党創立記念日に中国側から祝電が届いたことへの返礼の意味もあるだろうが、関係修復の糸口を探ろうとしているようにも思われる。
今回、金正恩が習近平に送った内容は、下記の通り。
中国共産党中央委員会総書記 習近平 同志
私は中国共産党第19回大会が円満に進行して、あなたが党中央委員会総書記、党中央軍事委員会主席に選ばれたことに対して心からなるお祝いをお送りします。
今日、中国人民は習近平同志を核心とする中国共産党中央委員会の指導のもとに新時代の中国の特色ある社会主義建設の道に入りました。
中国共産党第19回大会が提示した課題を貫徹するため、あなたの責任ある大きな成果があがることをお祈りします。
私は朝中の両党、両国間の関係が両国人民の利益に即して発展すると確信しています。
朝鮮労働党委員長 金正恩
韓国メディアのニュース1は、この北朝鮮側の動きについて、中朝関係が回復してきたのではないかという観測が出ていると伝えている。