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キューバ米大使館に対する「音響攻撃」説の真実味

2017年10月6日(金)16時30分
フレッド・カプラン(スレート誌コラム二スト)

アメリカ側の盗聴活動を確信したソ連は、報復として大使館10階の窓にマイクロ波ビームを照射するようになった。正確な狙いは今も不明だ。「おまえたちがやっていることはお見通しだ」と伝えたかったのか、マイクロ波受信装置を無効化しようとしたのか、大使館内部の会話を傍受したかったのか。

私がボストン・グローブ紙の防衛担当記者だった80年代、国防総省高官に彼らの部屋でインタビューしたとき、室内にBGMが流れていたことが何度かあった。高官の1人に理由を尋ねると、彼は大きな窓を指さし、ソ連の工作員がポトマック川の向こうからマイクロ波ビームを窓に照射して会話を盗聴している可能性があると言った。BGMには、ビームを撹乱させる効果があるとのことだった。

キューバ政府がハバナの米大使館に何らかのビームを照射していると断言することはできない。だが、キューバが75年頃にソ連から導入した通信技術に今も頼っている可能性は十分ある。

私は引退した米情報機関の元高官に、ハバナの問題は40年前にモスクワで起きたマイクロ波照射事件の再来ではないかという質問をぶつけてみた。すると、この元高官は報道を目にして全く同じことを考えたと答えた。「(この件については)私には何の情報もないが、おそらく君の言うとおりだろう」

<本誌2017年10月3日発売最新号掲載>

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© 2017, Slate

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