あり?なし? 学校のユニセックストイレ、英国で議論
「いじめが減少」
実は今年6月にも、イングランド北部にあるシェリー・カレッジ(13〜18歳)でユニセックストイレを導入する計画が発覚し、複数の保護者から書簡で苦情が寄せられた。エクスプレス紙によると、保護者らは「プライバシーの侵害」とし、子供たちを性的暴力やいじめにさらすと主張している。また、女子が生理の時にからかわれるとの懸念を訴える声もあった。
娘が同校に通っているという保護者の男性はエクスプレス紙に対し、「娘はトイレを使う必要になれば家に帰ってくることになると思う」と話した。「(個室の)隣に男子がいるなんて考えるだけで、娘が動揺する」とし、計画を中断して保護者と協議するよう学校側に申し入れたという。
同校側は、トイレが監視しやすくなるため、生徒の安全性が高まる、と主張している。
BBCによると、英国の学校で男女共用トイレを最初に導入したのは2000年、マンチェスター近郊の中学校だった。この中学の校長は当時、ユニセックスの個室を出ると共有スペースに手洗いシンクがある、というデザインだと、いじめや落書きや破壊行為、喫煙を防止できると主張していた。
BBCの同記事によると、2000年当時の英国政府はユニセックストイレに反対の立場をとっており、「厳密に言うと違法」との見解まで示していた。しかし2007年になると、政府は逆に学校にユニセックストイレの設置を推奨するガイドラインを出すようになった。男女共用なら、溜まり場になりにくくなり、いじめや破壊行為がしにくくなる、というのがその理由だ。
政府が推奨しているということから、英国の学校では今後、ユニセックストイレが増えることが見込まれるが、議論の決着がつくのはまだまだ先になりそうだ。