北朝鮮、米が宣戦布告と主張 領空外でも爆撃機撃墜など対抗策と警告
米朝間の激しい言葉の応酬は、トランプ大統領が19日に国連本部で行った就任後初の一般討論演説で、米国は北朝鮮を「完全に破壊」せざるを得なくなる可能性があると述べたことが発端。この演説で北朝鮮の金委員長を「ロケットマン」と呼んで非難したことも対立を激化させている。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)によると、金委員長は22日、トランプ大統領の警告に対し「史上最高の強硬対抗措置」を検討するとの異例の声明を発表。金委員長はトランプ氏について「精神が錯乱している」と指摘した。
23日には、北朝鮮の李外相が国連演説でトランプ大統領の発言が「北朝鮮のロケットが米国本土に到達することを不可避にした」と述べ、これを受けて、トランプ氏は「小柄なロケットマンの考えに同調するならば、彼らの先は長くない」とツイッターに投稿した。
北朝鮮は25日、トランプ大統領の「無謀な発言を強く非難する」と表明した。
国連のグテレス事務総長は25日、米朝の激しい言葉の応酬は致命的な誤解を招く恐れがあるとした上で、政治的な解決こそが唯一の方策との考えを示した。
中国の劉結一国連大使は25日、米朝の言葉の応酬について「極めて危険」との認識を表明。北朝鮮の李外相の発言を受け、ロイターに対し「事態の沈静化を望む。過度に危険な状態に陥りつつあり、誰の利益にもならない」と発言。「朝鮮半島の核問題解決に向けて交渉以外に道は無いと(米朝が)認識することを切に希望する。代替的な方策をとれば災難が訪れる」と述べた。
中国外務省の報道官は「事態は極めて複雑で慎重さが求められる」とし、各国が北朝鮮関連の国連決議を確実に履行する必要があるとの考えを示した。
中国国営メディアによると、メイ英首相と電話で協議した習近平国家主席は、北朝鮮問題は対話を通じて平和的に解決すべきとの中国の立場を強調した上で、英国がその実現に向けて建設的な役割を果たすことに期待を示した。
英政府は、英中両首脳は両国が国連安全保障理事会の常任理事国として、外交的な解決策を見出すのを支援する責務を担うとの見解で一致したと明らかにした。