最新記事

テロ

自動運転の到来で誰もがテロリストになれる時代に?

2017年9月25日(月)16時28分
ケイト・ローレンス ReadWrite[日本版]編集部

盗難車が攻撃に使われたストックホルムでの事例も考える価値のある一件だ。配達用トラックへのセンサー技術の導時代が自動車間(v2v)通信やインテリジェントな輸送事業の実現に向かっているのは我々も知る通りだ。それにより発生するノード間通信が中間者攻撃 (Man in the Middle Attacks)の標的になることが課題の一つであると、セキュリティアナリストのSam Bocettaはいう。

「その一例がIMSIキャッチャーと呼ばれるもので、要はノードやハブの間の通信を乗っ取ることです。送受信どちら側も攻撃されていることに気がつかないまま、間にいる攻撃者はノード(この場合は車にあたる)に対してコマンドやメッセージを送ることができます」

犯罪者達は新しいテクノロジーに相当投資しているようだ。Cisco社のEnsig氏は次のようにいう。

「サイバー犯罪を企てる人たちは、問題解決のためにテクノロジーを開発しているエンジニアよりも、ずっと俯瞰で物事を見ています。車が車線を外れそうになるのを検知して車線に戻るようハンドルを切り戻すテクノロジーがあったとすると、ハッカーは既に遠隔からハンドルを対向車線側に切りブレーキをかけてセンサーを壊す方法を見つけ出していたりします」

彼はまた、人々が高度に教育され、高いスキルも身につけたインテリジェントである可能性を持った時、Ludditesとテロリストを結び付けられるのではと仮説を説いた。

「サイバー犯罪者はつねにエンジニアの技術開発を見張っていて、誰よりも早く技術を適応させるだろう」

しかしながらBocetta氏は以下のようにも述べている。

「最新のテクノロジーを使った車のハッキングはトラックの運転を覚えるよりもはるかに難しいものです」

対応に早い遅いはあるものの、製造者はこれらの問題に対処するため、連邦政府と協力しあっている。犯罪者達が彼らより一歩先んじることがないことを祈るのみだ。

 

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中