最新記事

ミサイル

北朝鮮、現在所有するミサイルで米本土を壊滅的打撃 EMP攻撃を検討

2017年9月6日(水)08時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部



EMP攻撃の可能性について報じる韓国JTBCのニュース (c) JTBC / YouTube

2015年、韓国技術研究所は100キロトンの核爆弾をソウル上空100キロ上空で爆発させると、朝鮮半島と周辺国のすべての電子機器を破壊しかねないという分析結果を発表した。グォン・ヨンス元国防大学教授は「高度を60〜70キロに下げれば、朝鮮半島の南側、つまり韓国のどこでもEMP効果を作ることができる」と話している。

グォン元教授によれば、北朝鮮がアメリカを攻撃する場合、高度400キロ上空で核爆弾を爆発させると全米にEMPの効果を与えることが可能だという。

【参考記事】ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由
【参考記事】北朝鮮は戦争をしたいのか?したくないのか?


もはや技術的にEMP攻撃は可能?

北朝鮮がここにきてEMP攻撃について対外的にアピールしている理由は何か? それは対立するアメリカに向けてEMPによる攻撃が既に可能だということだ。

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)と主張する「火星14」「火星13」がアメリカ本土を攻撃可能なのかどうかで常に問題になるのが、大気圏再突入技術が確率されているかどうかだ。だが、EMP攻撃には大気圏再突入の必要はない。むしろ高度が高い方が影響を広範囲に与えられるということから、現在の北朝鮮にとってすぐに対応可能な攻撃手段といえる。

EMPに対する防衛技術としては情報・通信機器に電磁波防護を施し、バックアップ体制を行う必要がある。アメリカでは国防総省菜度がEMPに対する防御技術を開発している。また、韓国国内では、近年建てられた軍合同参謀本部庁舎と、有事の際に大統領が指揮する南泰嶺(ナムテリョン)のシェルター、鶏龍(ケリョン)大学など一部の施設だけにEMP対策が行われているだけだ。

今後、金正恩がトランプとの対決姿勢を強めていく際に、EMP攻撃はもっとも素早く、強力な攻撃手段として使われるかもしれない──。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中