最新記事

ミサイル

北朝鮮、ミサイル発射し北海道上空通過 通告なく高まる緊張

2017年8月29日(火)19時10分


中距離「火星12号」か

小野寺五典防衛相は記者団に対し、ミサイルの種類について、北朝鮮が5月14日に発射した中距離弾道弾「火星12型」を可能性の1つに挙げた。5月は意図的に高い角度をつけた「ロフテッド軌道」で打ったが、今回は通常の軌道で発射したと日本政府はみている。北朝鮮は8月9日、同ミサイルを米空軍のアンダーセン基地があるグアム周辺に打つと予告していた。日本の防衛省は今も分析を続けており、中距離弾「ムスダン」や、7月に発射した大陸間弾道弾(ICBM)級の可能性もあるとしている。

北朝鮮はミサイル発射を繰り返しているが、日本本土の上空を通過するミサイルを発射したのは98年、09年に続いて3度目。さらに12年と16年には沖縄県上空を通過させている。いずれも「人工衛星」打ち上げのロケットと称し、98年以外は事前通告をしていた。

小野寺防衛相は記者団に、「まったく日本に通告なしでこのようなミサイル発射を行うのはたいへん危険な行為。我が国に対する安全保障上の懸念がいっそう強まった」と語った。

河野太郎外相は、関係国に電話会談を申し入れたことを明らかにした上で、「今まで以上の圧力をかける必要がある」と述べた。英国のジョンソン外相はツイッターに、北朝鮮のミサイル発射という「無謀な挑発行為」に「憤りを感じる」と投稿した。


(田巻一彦、久保信博)

[東京 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB総裁ら、緩やかな利下げに前向き 「トランプ関

ビジネス

中国、保険会社に株式投資拡大を指示へ 株価支援策

ビジネス

不確実性高いがユーロ圏インフレは目標収束へ=スペイ

ビジネス

スイス中銀、必要ならマイナス金利や為替介入の用意=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 7
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 8
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 9
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 10
    「敵対国」で高まるトランプ人気...まさかの国で「世…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中