最新記事

アメリカ政治

白人至上主義の扱いめぐり共和党もじわり「トランプ離れ」

2017年8月24日(木)16時30分
グレアム・ランクツリー

KKKの元指導者デービッド・デュークと白人至上主義サイト「デイリー・ストーマー」の運営者アンドルー・アングリンは、シャーロッツビル事件でトランプが白人至上主義を名指しで非難しなかったことを褒め称えている。

【参考記事】ポートランドでヘイト暴言への抗議に痛ましい代償


世論調査では、共和党支持者の54%がシャーロッツビルでの衝突は「双方に非がある」と答え、民主党支持者の64%が白人至上主義者に非があると答えた。一方で、トランプの発言でアメリカ社会の分断が深まったことは、共和党支持者の過半数が認めている。

ライアンのほかにも、トランプの対応に批判的な共和党の政治家はいる。ティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州選出)はCBSの政治番組で、「国民の信望を得られない状況で、大統領が指導力を発揮するのは非常に困難」と語った。

世論調査ではまた、共和党支持者の58%がマイク・ペンス副大統領がトランプに取って代わることが望ましいと答えた。

それでも熱狂的な支持基盤は揺らいでおらず、大統領選でトランプに投票した人の80%は就任後の実績を高く評価している。

低学歴の白人の離反はわずか

7月末以降の数週間に行われたほかの世論調査では、トランプの公約の目玉であるオバマケア(医療保険制度改革)の改廃が頓挫したことを受け、大学の学位を持たない白人有権者の一部がトランプ政権に失望したことが明らかになった。だが、この層のトランプ離れはごくわずかに過ぎない。

シャーロッツビルでの白人至上主義者の集会は、南北戦争で奴隷制存続のために戦った南軍の指導者ロバート・リー将軍の像撤去に抗議するために開かれた。トランプは南軍の記念碑の撤去には反対しており、フェニックスでの支持者集会でも、南軍関連の銅像や記念碑の撤去は「われわれの歴史と遺産を奪う」行為だと批判した。

ポリティコ/モーニング・コンサルトの世論調査では、共和党支持者の75%が南軍の記念碑撤去に反対している。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中