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米中関係中国商務省、知的財産権巡るトランプ政権の調査に「強い不満」表明
8月21日、中国商務省は、声明を発表し、米通商代表部(USTR)が知的財産権に関する対中調査を開始したことに「強い不満」を表明した。写真は北京で2009年11月撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)
中国商務省は21日、声明を発表し、米通商代表部(USTR)が知的財産権に関する対中調査を開始したことに「強い不満」を表明した。
USTRは正式調査の開始を18日に発表した。トランプ米大統領が14日、中国による知的財産権侵害の実態を調査し、通商法301条の適用が必要かどうか判断するようUSTRに指示する覚書に署名していたことから、調査の開始は広く予想されていた。
対中調査は、中国の貿易慣行に関して米政権が初めて取った直接的な措置。ホワイトハウスや米企業団体は、中国の貿易慣行が米国の産業に損害を与えていると主張している。
これに対し中国商務省の声明は、調査の開始が世界全体に誤ったシグナルを送ったと指摘し、国際社会の非難を受けるだろうとの見解を示した。
同省の報道官は「米国が世界貿易機関(WTO)の規則を無視し、国内法を使って中国に対する貿易調査を始めることは無責任であり、中国への批判は客観的でない」と述べた。
また、「中国は米国の一方的な保護主義的行動に強い不満を表明する。われわれは米国側に対し、事実と多国間の原則を尊重し、慎重に行動するよう求める」とした上で、中国政府は「法で認められた中国の権利を守るため適切な措置を講じる」と付け加えた。
同省は米国がこうした調査の代わりに中国と協力して合意点を模索し、健全な貿易関係を推進していくべきだとしている。