トランプ政権、就任後半年間の意外な高評価
オバマケアの見直しをはじめ、移民規制でも税制改革でもトランプは後退を余儀なくされているが、一方で着実に実行した公約もある。オバマ前政権と国際主義・グローバリズム的傾向とは明確に決別すると、トランプは主張していた。この公約は間違いなく実現した。
まず、保守派のニール・ゴーサッチの最高裁判事就任だ。この人事は今後少なくとも20~30年間、政治的遺産として残る(最高裁判事の任期は終身)。トランプの保守的・ポピュリスト的思想は、トランプ政権の後も司法の最高レベルで影響を持ち続けることになる。
第2に、バラク・オバマ前大統領の主要な国際主義的政策をあっさり切り捨てた。トランプは大統領就任直後にTPP(環太平洋経済連携協定)から離脱。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」についても一方的に離脱を表明した。
最後に、カナダからアメリカに原油を運ぶキーストーンXLパイプラインの建設を認可し、大統領選の勝利に大きく貢献したウェストバージニア州の石炭産業復活を目指す大統領令に署名した。トランプ支持者は大喜びだ。現在、共和党支持層の大統領支持率は82%という驚異の高率に達している。
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この結果、トランプは、2020年の大統領選で再選されるという最大の目的を達する可能性が高まっている。
最近の世論調査によると、いま大統領選があると仮定し、再びトランプとヒラリー・クリントンが候補者だとすると、43%対40%でトランプが勝つ。トランプの支持率は、昨年の大統領選投票日には37.5%だったが、今は平均して40%前後に達している。特に、大統領選で勝った郡では今も50%を上回る。米大統領選の選挙制度を考えると、この点は大きな強みだ。
要するに、自壊さえしなければ、トランプが2024年まで大統領にとどまる可能性はあると思っておいたほうがいい。
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[2017年8月 1日号掲載]