最新記事

自動車

ポルシェ、クリーンエネルギーへシフト ディーゼル撤退も視野

2017年7月19日(水)17時20分

7月18日、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン傘下のスポーツカーブランド「ポルシェ」のオリバー・ブルーメCEO(写真)はロイターとのインタビューで、ディーゼルエンジン打ち切りの是非を2010年代の終わりまでに決めると述べた。独シュツットガルトで2016年3月撮影(2017年 ロイター/Michael Dalder)

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のスポーツカーブランド「ポルシェ」の最高経営責任者(CEO)であるオリバー・ブルーメ氏はロイターとのインタビューで、ディーゼルエンジン打ち切りの是非を2010年代の終わりまでに決めると述べた。

ドイツの自動車メーカーの幹部がディーゼルエンジンからの撤退の可能性を明確にしたのは初めて。

ブルーメ氏は「(ディーゼルエンジンの打ち切りの)問題をもちろん視野に入れている」と述べた上で、「まだ決断は下していない」とした。

ポルシェは2009年にスポーツ用多目的車(SUV)「カイエン」で初めてディーゼルエンジンを搭載。しかしVWがディーゼルエンジン車で不正な排ガス規制逃れを行っていたことが明らかになったことを受けて、ディーゼルエンジンの扱いについて検討している。

ブルーメ氏は、向こう10─15年は内燃機関車、プラグインハイブリッド車、完全な電気自動車などさまざまな車種を市場に供給し、20年にディーゼルの扱いについて判断するとした。

カイエンは9月にモデルチェンジに向けた作業が始まるが、ディーゼルエンジン搭載モデルの供給を継続するという。

ブルーメ氏は「今後数世代にはさまざまなシナリオがある」と指摘した。ポルシェの複数の関係筋によると、ディーゼルエンジンからの完全撤退もシナリオの1つとして含まれているという。

ポルシェは世界の販売に占めるディーゼル車の比率が約15%。これに対して競合するBMWは35%で、アウディは欧州の販売の3分の2をディーゼル車が占める。

VWの排ガス不正によりディーゼルエンジンのイメージが悪化したため、自動車メーカーの多くは経営戦略の見直しに取り組んでいる。

ポルシェも電気自動車の需要増に対応するため、10億ユーロを投じて主力のシュツットガルト工場の全面的な改修を進めており、2019年には初の完全な電気自動車「ミッションE」を発売する予定。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

共和党系11州が米資産運用大手3社提訴 電気料金つ

ワールド

イラン、レバノン停戦を歓迎 イスラエルの空爆には反

ビジネス

米国株式市場=反落、インフレ指標受けテクノロジー株

ビジネス

NY外為市場=ドル幅広く下落、祝日前にポジション調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 3
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
  • 4
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 9
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 10
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中