ファミマがIT駆使で業務見直し加速 アナログ重視しアマゾンと差別化
未来のコンビは「もっとアナログ」
改革推進室の立ち上げ以降、グーグル、LINE <3938.T>と次々に提携を結ぶなど、テクノロジーの取り込みも積極的だ。店舗においては、LINEの人工知能「clova」を使い、在庫管理や受発注を自動で行うだけでなく、どのような客が来店しているかを把握、商品の推奨や外国語での説明など、ひとりひとりに合ったサービスを提供するなどの構想を描く。
ただ、ITを駆使した未来のファミマについて、沢田社長は「アマゾンGO」との違いを強調する。アマゾンGOは、入店から決済まで、人手を介することなくできるため、店員は極力少なくなる。一方、未来のファミマは「もっとアナログになる」という。発注の精度を上げたり、検品を完全になくすなど、ITを活用する一方で、余裕が生じた店員は、高齢者の見守りや地域との関わりを増やすなど「人にしかできない仕事をもっと高める。地域になくてはならない存在になる」。
グーグルと一緒に進めている本部の改革では、「一番大変な部署で変えることができれば、どこでも変えることができる」(植野室長)ということで、主に出店業務などを担う「開発本部」から行っている。グーグルには「今やっている仕事は本当に価値があるか、何かを創造しているか、ということを常に問い掛けつづける文化がある。ビジネスプロセスを変えるだけでなく、社内カルチャーを変える」という。