最新記事

北朝鮮

軍事でも外交でもない、北朝鮮問題「第3の解決策」

2017年7月15日(土)11時00分
ウィリアム・トビー(米ハーバード大学ベルファー科学・国際関係研究所上級研究員)

まず、防御と攻撃の両面でサイバー戦争の戦略を強化することだ。それによって北朝鮮の攻撃を防ぐと同時に、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング事件のようなケースでは報復攻撃を実行する。

核兵器や核物質の密輸に対処するため、海と空の監視と規制、検問も強化すべきだ。短・長距離のミサイルに対する「ミサイル防衛」の改良も必要だ。北朝鮮による核の拡散や違法行為への対抗措置として、関係する中国企業への制裁などの2次的制裁も強化すべきだ。

つまり、アメリカは朝鮮半島の平和統一と非核化が可能になるまで、北朝鮮の封じ込めを徹底して続ければいい。同盟国やその他の国々と協力できれば、最高の成果が期待できる。

【参考記事】危機不感症に陥った日本を世界の激震が襲う日

北朝鮮が核兵器やミサイルの開発を着々と進めている現状を考えれば、恐怖心を抱くのも無理はない。だが恐怖は判断力を曇らせ、危機への対応を遅らせる。「恐怖は反応であり、勇気は決断である」と、チャーチル元英首相は言った。今こそ恐怖心を和らげ、勇気を倍増させるような決断を下す時だ。

北朝鮮が核開発を進めていたとき、時間は彼らの味方だったが、核を保有した今は違う。戦争を必要としない北朝鮮問題の解決策はある。今こそそれを実行すべきだ。

From Foreign Policy Magazine

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

[2017年7月18日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン

ビジネス

ECB総裁、欧州経済統合「緊急性高まる」 早期行動

ビジネス

英小売売上高、10月は前月比-0.7% 予算案発表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中