最新記事

朝鮮半島

韓国文大統領インタビュー:中国に対北行動促す 慰安婦合意で日本批判も

2017年6月23日(金)10時15分

6月22日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領(写真)は、中国は北朝鮮の核開発抑制に向けさらなる行動の余地があるとの認識を示した。(2017年 ロイター/Kim Hong-Ji)

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は22日、中国は北朝鮮の核開発抑制に向けさらなる行動の余地があるとの認識を示した。また習近平国家主席に対し、新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備への報復として韓国企業に講じた「あらゆる措置」の撤廃を求める考えを明らかにした。

訪米を来週に控え、ロイターのインタビューで語った。

文大統領は北朝鮮が大陸間弾道弾(ICBM)発射や6度目の核実験を実施した場合、「強力な」制裁措置を講じるべきだと主張した。

また、北朝鮮は米国本土に届く核弾頭装備弾道ミサイル配備の技術を「そう遠くない将来」に獲得するとの見方を示した。

文大統領はさらに「中国は北朝鮮のさらなる挑発行動阻止に向けて努力していると思うが、これまでのところ具体的な成果はない」と指摘。「中国は北朝鮮の唯一の同盟国で、最大の経済支援国だ。中国の協力がなければ、制裁は何の効果もない」と述べた。

文氏は大統領選挙で北朝鮮により穏健なアプローチをとると主張。圧力に加え対話を重視する姿勢を打ち出している。

THAAD配備を巡る中国の措置に関しては、同国で事業を展開する多くの韓国企業が困難に直面していると指摘したうえで、来月ドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて中韓首脳会談を行い、この問題を協議することに意欲を示した。

また、日本やロシアなどを含め可能な限り多くの2国間会談を開催したいと語った。

日韓関係について文大統領は、歴史や領有権問題、日本の防衛費拡大について懸念を表明。「日本が確固たる姿勢で過去の歴史を反省し、二度と繰り返さないというメッセージを送れば、韓国だけでなく他の多くのアジア諸国との関係がさらに目覚ましい発展を遂げるだろう」と語った。

「日本は慰安婦問題を含め、2国間の歴史問題を解決するため十分な努力をしていない」と批判した。

[ソウル 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スターリンクがインド進出、現地2大通信企業と提携

ビジネス

午後3時のドルは148円前半へじり高、1週間ぶり高

ワールド

EU、280億ドル強相当の米国製品に対抗関税 来月

ワールド

グリーンランド議会選、企業寄りの野党・民主党が勝利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中