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米議会で債務上限引き上げをめぐる攻防再び

2017年6月1日(木)20時00分
マシュー・クーパー

理論的には、マルバニーの見解が正しいのかもしれない。財務省はたとえ債務上限が引き上げられなくても、会計上の操作で当面の間はデフォルトを回避できる。ただしそれは単なる時間稼ぎで、米国債の急落を止めることはできない。マルバニーは先週の下院予算委員会で、債務上限の引き上げをどのくらい引き上げたいのか、どんな譲歩をするのかについて、具体策を示すようトランプ政権に求めた。一刻も早い債務上限引き上げを求めるムニューシンとは全く対照的だ。

しかも議会は今、米大統領選へのロシアの関与やトランプ陣営とロシアの共謀をめぐる疑惑で大忙し。今後の議会運営がますます苦しくなるのは必至だ。

大統領就任前のトランプが、多くの事業で資金繰りができたのは借金のおかげだ、借金が大好きだと豪語していた。実際に自分が助かるためなら、連邦破産法11条の適用を申請して債権者に損をさせるのも厭わなかった。

不動産王だったトランプは、過去に4度も破産した。昨年の大統領選中も、財政難のアメリカを救うため、米国債の債権者に借金棒引きを受け入れてもらうと言ったこともある(トランプはすぐに発言を撤回した)。

【参考記事】トランプは米国債をデフォルトしかねない

だが米投資銀行ゴールドマン・サックス出身のムニューシンは、それがどれほど危うい話かを理解している。議会もその危機感を共有できるかどうか、今後も目が離せない。

(翻訳:河原里香)

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