OPEC盟主サウジと非OPECロシアが歴史的急接近 市場安定で協調
また30日にはロシアのプーチン大統領がサウジアラビアのビン・サルマン副皇太子と会談。副皇太子は会談について「最も重要なのは、原油市場とエネルギー価格の安定に向けて確固とした基盤を作れたことだ」と述べた。
増産の有無などを巡り激しく対立していたサウジとロシアが急に歩み寄ったのは、経済面や政治面からそうせざるを得なくなったためだ。
原油価急落で両国の経済は赤字に転落し、回復は遅々として進まない。政治的にもロシアは来年初頭に大統領選を控えており、サウジのビン・サルマン副皇太子は経済改革の断行を掲げ、アラムコの株式上場を予定している。両国ともこれ以上の原油価格下落は受け入れられない。
サウジが昨年、長年にわたり石油鉱物資源相を務めたヌアイミ氏を退任させ、ファリハ氏を後任に据えたことも関係改善を後押しした。
ロシアのノバク・エネルギー相は先週、協調減産の延長を話し合う会合で「ファリハ氏が言ったことならば間違いない」と述べた。
ノバク氏とファリハ氏は30日、原油市場の安定のために「できることは何でもする」とあらためて強調した。また、両者は米国のシェールオイルなど、OPEC非加盟国の生産の見通しなどについても話し合ったという。
(Dmitry Zhdannikov記者、Vladimir Soldatkin記者)
