アメリカ人も有給休暇を取りづらい 最新調査で明らかに
有給を消化しないのは国家的損失(その額、2360億ドル!)
一方で、有給休暇を消化すれば経済効果につながるし、逆に消化しないと損失だ。全米旅行協会の調査では、昨年の間に与えられた有給をすべて消化できなかったと答えた人は54%。消化できなかった有給休暇のうち、翌年に持ち越したり給与に還元したりできずに消えて行った2億600万日分を金額にすると、労働者たちは昨年だけで664億ドル分を無料奉仕したことになる。
また、昨年の間に使われなかった有給休暇は(消費活動に結びつかなかったことで)アメリカにとって2360億ドル分の経済的損失であり、有給休暇を残していた54%のアメリカ人があと1日多く休んだだけで330億ドルの経済効果を生んだと指摘した。
経済効果という観点から、全米旅行協会をはじめ、旅行業界が有給休暇に敏感なのもうなずける。
大手旅行サイト「エクスペディア」は2005年から毎年、有給休暇日数の国際比較調査を実施。同社の2016年の調査によれば、バケーション三昧な国はもっぱらヨーロッパ。例えばフランス、スペイン、フィンランドは30日間与えられているなか100%消化していて、勤勉なイメージのドイツでさえ30日間中、28日休んでいた。
ちなみに、同じ調査で日本人の消化日数は10日間。もちろん個人にだけ問題があるわけではないだろうが、(アメリカではなく...)ヨーロッパを見習って、今から夏休みに向けて有給休暇の計画的取得を考えてみてはどうだろうか。
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