トランプ政権下、ドイツに戻るユダヤ系アメリカ人が急増の皮肉
祝賀会に参加した一人、ラリー・クラインの両親も、ホロコーストを逃れアメリカにやってきた。父方の祖父母は殺害された。ドイツ市民権再取得のアイディアは頭にはあったが、決め手になったのはやはり昨年の11月だった。領事館に連絡し、ほかにも多くのユダヤ系市民が自分と同じことを考えていることを知らされたという。
「ドイツに行くことが呪いであるような家族に育った自分がこんなことをするなんて、正直皮肉で、驚きです」と、クラインはWBUR(ボストン)に語った。「現時点でのこの国の風潮は不穏です。私の家族がよく知っているような歴史を持つドイツのような国が、国とはこうあるべきだと私が考えるまさにその信条や哲学を支持しています。そう、とても興味深い道をたどって物事が巡ってきました」
既に2000年にドイツ市民権を取得していたカリフォルニア州バークレーのテリー・マンデルは、最初は政治的な動機はなく、ドイツ移住も考えていなかったが、その可能性もだんだん現実味を増してきたという。「現在の世界、ヨーロッパ、アメリカの政治状況を考えると、ドイツがほかの多くの、本当に多くの場所より、より安全で寛容で親切、友好的に思えます」とDWに語っている。